鼻毛の森の「理想論撲滅ソング」はネタに留まらず、ましてや出オチでは終わりません。
歌詞をそのまま熟読いただきたいところですが、著作権管理の関係上転載は(本人でも)難しいため、ライナーノーツとして概要を記し、各楽曲の文末に歌詞検索サイト「歌ネット」のダイレクトアドレスをリンクします。親切でしょ!
それまではそばにいるよ
当初は永遠と聞かされ、実際にそう思い込んでいた恋愛関係が唐突に打ち切られたショックにより爆誕した皮肉たっぷりの逆恨み系失恋ソングです。「いつまでも続く愛なんてない、終わらない恋なんてあるわけがない」をコンセプトに、恋愛感情の非継続性と不確実性をねっとりと歌い上げる6分のバラードは苦渋と苦痛の極み。シンプルな浮気心とも解され、様々なシーンで反響と反感を買ってきた「狭い世界」をどうぞ鼻で笑ってください。
誰でもよかっただから君でもよかった
なんとなく好意を抱き、それとなく様子を伺っていた異性との進展に活路を見いだせず、早期撤退を決意した2006年当時の私自身の身勝手な行動と感情を余すところなく綴った一曲です。清々しく、前向きな気持ちを前面に押し出してみた結果、王道ポップソング仕立てに。「恋愛が始まるきっかけや理由は小さく、それほどでもないものもそれなりに混在する」という自分軸を軽やかかつ爽やかに彩る「開き直り」ソングは、リアル失恋者への応援歌としても機能する万能ぶりを見せています。
幸せだと思うことにするよ
「人の幸せは考え方次第」という結論のような持論を込めた超等身大の人間賛歌です。仏教の教え(足るを知る)にも通ずることから、説法・説教臭の緩和も必要となったため、人生最大の夢と現実の祭典として定着する「披露宴」のエンドロールに相応しい壮大なメロディラインとアレンジメントで相殺しました。歌詞と楽曲のハレーションが感情を揺さぶる「リアルウェディングソング(3部作の第3弾)」兼「リアル応援ソング」は、神羅万象あらゆる出来事を「我慢できる」「諦められる」大人からのみ支持を得られています。
だから言ったのに~抜け殻の君へ~
求められたアドバイスに耳を傾けることもなく、想像できる範囲内の失敗を見事に実現させていったかつての盟友たちに向けて書き上げた「絶対に届かない」お手紙にアクティブなメロディとサウンドを添えてみました。茶化しているようで、実に深い内容です。
社会にあるだけの一つ
人それぞれは確実にオンリーワンではあるものの、個性を無理に突き通した際にはロンリー(ワン)へまっしぐら。当該楽曲ではそのリスクを軽減し、社会という名の絶対的な安全圏に溶け込んでいただけるよう、「エブリワンとしての自身を確立する」処世術的思考をいち選択肢として提示・推奨しています。メタ目線ではピースフルなナンバーですので、長い目、広い心でお楽しみいただければなによりです。
お気を確かに
大阪のテレビ番組のロケ企画の一環で、2013年に生まれたストレートすぎるアンチラブソング。計画性が乏しく、ただ浮かれる付き合いたてのカップルたちに、その後に考えられるリスクと現状との落差を提示し、勝手に憂慮する内容となっているため、ただの僻みではないのかと話題になりました。半分正解です。若いってだけで羨ましいのですから。
行けたら行くよ
断りにくい背景はあるものの「行くほどではない」「乗り気ではない」「2つ返事をしたくない」部類のお誘いへの最適解(生返事)を歌にまとめました。「予定が空いていると言っても暇なわけではない」という内に秘めた信念を力強いロックポップ調のサウンドで表現することにより、あたかも現場に向かっているかのような疾走感(錯覚)を生む出すことにも成功しました。「行くかどうかは行き先次第」という揺るぎなき本質を、全方位のギャップ、ミスマッチの中から味わってください。
紐
交わらないはずの運命の糸に強引に絡みつき、ほどけないように一体化した、まさに紐(ヒモ)状態の残念な男(架空)を描き切った不愉快な物語。依存する自分自身にとまどいながらも紐でしか生きられない運命(さだめ)を受け入れていく主人公の切なさと身勝手さには共感するだけ無駄です。
歌詞
味しめたい
2019年当時の段階でうんざりし始めていた「メリットの有無で増減する人間関係」の心境の変遷に向き合い、分析した上で歌にしてみました。不快感漂う生々しい歌詞の相殺に向けて、メロディラインとサウンドの制作工程では「広大な高原でのフェス」をイメージ。優しく伸びやかでピースフルなバックグラウンドミュージックによって浮き彫りとなった小さな小さな人間の「本省」をご賞味ください。甘い汁って、吸いたくなるものです。
いまひとつ
市販のメッセージソングで陥りがちな「たったひとつ」「たった一人」という特別的で限定的な視点と表現に差別感を覚え、視野を拡張することによって生み出した「その他大勢」向けのメッセージソングです。大なり小なり「品定め」をしてしまう人間の本質を、美しいメロディラインとアレンジメントで彩ることでまろやかにしました。2番サビ終わりの展開(盛り上がり)が最高に無駄です。
フラレタリウム
「株式会社人間」とのコラボレーションにより大阪にて開催された珍妙な天体観測企画「フラレタリウム」(2013年)に向けて書き下ろしました。広大な夜空で燦然と光り輝く星空に対し、場合によっては抱くかもしれない「ちっぽけな自分が見下されている感覚」を丁寧に描写し、陰湿ぶりに磨きをかけた拡大解釈的失恋ソングです。八つ当たりをも受け入れてくれる広大な星空にマジKANSHA。
歌詞
Sorry night~惨状のメリークリスマス~
多忙な年の瀬にもかかわらず、わざわざ過剰な出費と混雑に見舞われる冬最大のプレゼントイベントに疑問符を打つ一曲。むしろ「シングルベルのほうが気楽なのではないか」とも思わせてくれるクリスマスソングは、「誰も取り残さない」優しさに満ちています。つまり、私がサンタなのです。
お帰りください
大切な人が「帰る場所」を間違え、「招かれざる客」とならないために書き上げた注意喚起ソングです。あらゆる場面で「なぜここにいるのか」「いていいのか」を自問し、自重を重ねることにより、人に迷惑をかけず、嫌われない大人な自分を確立できるはず。嫌われると面倒な世の中ですので。
真にうけないで
何かしらの事情が重なり、勘違いをしてしまったいい大人たちがより誤った方向に突っ走ることのないよう、全力で働きかけ、軌道修正を試みる「応戦」ソングです。「適材適所」を思い知ることさえできれば、無駄な失敗が少なく、相対的に幸せな人生を手に入れられるでしょう。そんな作者(私)からのメッセージを真に受けるかどうかもまた、あなた次第です。
手を切って離そう
マイナスの未来を導きかねない暗く狭い世界(コミュニティ)からの脱却を後押しする「絶縁ソング」の第一弾。実社会での実現は難しいとされる「二度と関わらない」を代弁言する歌詞、その一言一句に説得力をもたらすピースフルなサウンドにより、前向きな気持ちになる人はなることでしょう。ならない人はなれませんけどね。
言葉だけはありがとう
心からではないものの、形式上は伝えなくてはいけない「大人の感謝」を楽曲にまとめてみました。マウントに繋がるリスクもはらむ「言葉だけのありがとう」を、「言葉だけはありがとう」と表現することで、心理的な優位性を担保しており、そういう意味では健康的な楽曲です。
ボクハサクラキミノサクラ
あざとい知人たちに手のひらを返され、踏み台にされることで自身の「サクラ」的な立ち位置を思い知らされた実体験と、それによって生まれた被害者感情にバイアスをかけることで生まれ出た陰湿なバラードソングです。普遍的なテーマの多い鼻毛の森楽曲(理想論撲滅ソング)の中で、桜の季節(春)に便乗する稀少な季節もの。桜ソングって大体売れますからね。
NEMAWASHI~地味に届け~
私たちが社会を生きる上で、「縦のライン」をないがしろにすることは難しいですよね。当該楽曲は、その中で感じる理不尽を前向きに捉えるべく、「きっと将来は見返りがあるはず」という願いと希望を込め、できるだけ恩恵に預かるための最適解を書き連ねています。着実なNEMAWASHIでなるべく楽に花を咲かせたい、鼻毛の森は社会人生活の省エネに貢献します。
君でいいのかな
リアルウェディング3部作「自問」編です。友人のマリッジブルーを拡張解釈し、脚色を施して楽曲化。この相手は本当に運命の人なのか、この先に本当の運命的な人に出会えたらどうしよう、そんな不毛な不安をシリアスなメロディと壮大なアレンジで彩ることでそれっぽく肯定してみました。ちなみに披露宴で披露するつもりだったのですが、呼ばれませんでした。
もう一度選び直せるのなら
「君でいいのかな」に続くリアルウェディングソング第2弾(後悔編)です。もしも時を戻せたり、生まれ変われるのなら別の人を選んでみたい…覚悟が決まる瞬間ギリギリまで続く優柔不断な感情、そんな悪あがきを失笑してみてください。モヤモヤしますよ!
知り合いだろうよ
いち関係者をいちいち「家族」と呼ぶ安易な風潮に一石を投じるアコースティックバラードです。恋人でもない、友人でもない、仲間ともいえないあの人を思い浮かべながら、笑顔になっていただけたら嬉しいですし、ちょっと嫌です。
歌詞
バレたらいいね
裏の顔がえげつないのにとんでもなく好感度の高い人ってそれなりにいますよね。その人が近しければ近しいほどもどかしさは増大するもの。ですので、当該楽曲を教材都市、なかなか出ないボロがいつの日か駄々洩れる晴れやかな日が到来することを願い、ほくそ笑みながら、気長に行く末を見守るテクニックを習得していきましょう。
HAPPY HAPPY SUNDAY~君に会えないから~
「君に会えない週末だからこそできることがある」をコンセプトに歌詞を書き上げました。鼻毛の森のキャリアの中で、自らが作曲をしていないのは2曲のみ。そういう意味でも稀少なナンバーです。
~まだ見ぬ恋人ヤスコに捧げる歌~歌わなかったラヴソング
ラヴソングの定義そのものを逆張りしてみた初めてのオリジナル作品です。複数の女性の名前が登場するのに、タイトルに表記されている「ヤスコ」がいない理由とは。そんな「その他」の女性に贈るラヴソングとはどの程度のものなのか…間奏部分で登場する名言っぽい言葉にも一切の内容がありません。